救急車のサイレンは事件のかほり
東京に出てきたばかりのころ、夜に窓の外から救急車のサイレンが聞こえてくるのが怖かった。
救急車が走ってゆくその先、あるいは走ってきた先、そこには何か恐ろしい事件が起こったのだと妄想していた。そんな事件の空気を纏った救急車が身近な距離を走ることが怖かった。
今思うと「警視庁○○時」の見過ぎ、と鼻で笑えるんだが、当時は割と真剣に事件の可能性を信じていた。
それから○年経った今は逆に救急車のサイレンに無関心になった。
それはそれで、何か危機感が足りないのではないかと思う。